君を想う【実話】


「..ちょっと出てくる」


光星にそう言い残し、瑠奈は鳴り止まない携帯を手に、外へ出た



雅也は、瑠奈のことをずっと好きでいてくれた



だからこそ、ちゃんと言わなきゃいけないのかもしれない..



深く呼吸して、通話ボタンを押した



「もし..もし..?」


勇気を出して声を発したものの、雅也からの応答がない


「雅也?」


「..はぁーーっ。お前さ、今までシカトってどういうことだよ」


その時、長い溜め息と同時に雅也の呆れたような声が聞こえた


「ごめん..」


「まぁ、いいけど。慣れてるし!」


謝ることしかできない瑠奈に、雅也は少し笑った



その優しさに、胸が締め付けられる



「しょうがねぇよ。受け止められなかったお前の気持ちもわかるし..」



「え?」



雅也の言葉の意味がわからず、瑠奈は思わず声をあげた



もしかして、真二のことが..



瑠奈の背中に、夏の暑さによるものとは違う、嫌な汗が流れる



「え?って、お前..もしかして..」



瑠奈の態度に、雅也の声色が変わった


電話越しでも、動揺しているのがわかる
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