君を想う【実話】
「いや、遅かれ早かれバレるんじゃないかなって思ってたけど..ちょっと早いな..」
瑠奈は、煙草に火をつけて、乱れた心拍を落ち着かせた
真二が、自から言ったのか..?
何を..どこまで言ったんだろう..
そんな考えだけが、瑠奈の頭を支配する
「は?ちょっと待て。意味わかんねぇ。お前から別れたんだよな?」
「..うん」
雅也がどこまで知ってるのか..
探るように、言葉を選ぶ
大事なことを見落としてることにも気付かずに..
「だよな..みんながお前のこと責めるのもわかるけど..そんな簡単なことじゃねぇよな」
「..うん。責められるのはしょうがないよ..瑠奈が悪いんだから」
しんみりとした空気が漂う中、雅也も煙草に火をつけたのがわかった
「智也のことは任せろ。俺等がついてるし」
雅也が知ってるってことは、智也も知っちゃったんだよね..
智也は、どう思ったのかな..?
「ん..ありがとう」
涙がこぼれないように、夜空を見上げた
雲の切れ間から、少し欠けた月が顔を出す
瑠奈は、月みてぇだな―
いつかの言葉が、頭を霞めた