君を想う【実話】



「..お前等は..なんで、別れたんだ..?」



目を開くと、雅也の声が、遠くに聞こえた



何で..?



そんなの知ってるんじゃないの?



瑠奈は、喉まで出かけた言葉を飲み込んだ



「真二と―..」



もう、全部の真実を話してしまおう..



「は!?なんで真二がでてくんだよ!?」



そんな決意も直ぐに打ち砕かれ、瑠奈の言葉をわたって、雅也が声をあげた



その反応に、瑠奈は一瞬、凍りつく



「え..?」



もしかして..



知らないの..?




じゃぁ、雅也は何を―..




「..待て、落ち着け。俺とお前の言ってることは、多分..いや、絶対に違う」



瑠奈よりテンパった様子の雅也が、頭の中を整理するように話し出す



「あいつ、俺等にも嘘つきやがって..」



そして、独り言のように、そう呟いた




「瑠奈、よく聞け..」




何故か、嫌な予感がしたんだ―




「あいつは..」




心臓が大きな音をたて、耳元で鳴り響く





「智也は―..」






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