君を想う【実話】
暖かい..
優しいぬくもり
この手は..
この声は..
あの時、瑠奈を助けてくれた
優しい光―..
‥
「目、覚めたか?」
その声に、瑠奈はゆっくりと目を開けた
「ぇ..えぇーっ!」
「お前..うるせぇよ。もう熱は、ないみたいだな」
暖かい手が、額から離れる
瑠奈が驚くのも、当たり前だった
今、目の前にいるのは
紛れもなく
世界で一番、愛しい人―..
「智也..なんで..」
なんで、智也がいるの?
確か、ともママに..
あれ..?
「お前、いきなりぶっ倒れたみてぇだぞ。まぁ、あんだけびしょ濡れじゃぁな..」
智也はそう言って、少し笑った
気が付けば、瑠奈が着ているのは智也の服
「あ..言っとくけど、美華がやったんだぞ!俺は見てねぇからなっ!」
隣で慌てる智也を見て、瑠奈にも自然と笑みがこぼれた
こんなふうに笑えたのは、何ヶ月ぶりだろう..
まるで、恋人同士に戻ったような―
そんな錯覚さえ起きる