君を想う【実話】
「..いつか、話してやるよ」
智也はそう言って、ゆっくり目を閉じた
本当は、今すぐにでも聞きたかったけど..
いつか―
その言葉を信じたかった
これが最後なんかじゃないって..
「..一目惚れだった」
「..え?」
「俺、お前に一目惚れだったんだよ」
智也は、まるで懐かしい日を思い出すように、遠くを見つめていた
カチッという音と共に、煙草の煙が宙を舞う
「..瑠奈もだよ」
「え?」
智也は驚いたように、体を起こした
その様子を見て、瑠奈は小さく笑う
一目見た瞬間から
あなたに恋に落ちた
あの時から、ずっと
私は、あなたに
恋をしている―..
「二人とも..だったんだな」
「そうみたいだね..」
智也も同じ気持ちだったなら
二人は、たくさんの遠回りをしたね..
もっと早く
想いが通じあっていれば
何か変わってたのかな..?