君を想う【実話】




「..いつか、話してやるよ」



智也はそう言って、ゆっくり目を閉じた



本当は、今すぐにでも聞きたかったけど..





いつか―





その言葉を信じたかった





これが最後なんかじゃないって..






「..一目惚れだった」



「..え?」




「俺、お前に一目惚れだったんだよ」





智也は、まるで懐かしい日を思い出すように、遠くを見つめていた



カチッという音と共に、煙草の煙が宙を舞う





「..瑠奈もだよ」



「え?」




智也は驚いたように、体を起こした



その様子を見て、瑠奈は小さく笑う






一目見た瞬間から




あなたに恋に落ちた





あの時から、ずっと




私は、あなたに





恋をしている―..






「二人とも..だったんだな」



「そうみたいだね..」





智也も同じ気持ちだったなら




二人は、たくさんの遠回りをしたね..






もっと早く





想いが通じあっていれば






何か変わってたのかな..?






< 412 / 436 >

この作品をシェア

pagetop