君を想う【実話】
§最終章..君を想う§
涙をこぼす瑠奈の横で
智也は、笑っていた
ねぇ、いつからそんな作り笑顔で
笑えるようになったの?
鮮明に蘇ってくる
あの日の真実―
智也の秘密―
みんなの嘘が―..
‥
あの日、雅也から聞いた真実..
「瑠奈。よく聞け..聞いてどうするかは、自分で決めろ」
一番近くにいたのに
「..智也は、あの時の事故の後遺症で」
瑠奈は
「記憶が..時間が消えていくんだ」
何も気付けなかった
「原因は、わからないらしい..」
智也の隠していた秘密を
知ってしまった..
「瑠奈の誕生日の日、お前が来る前に、言われたんだ」
じゃぁ、智也は
「あいつは退院してすぐに、自分の症状に気付いてたみてぇで..」
あの時、どんな気持ちで
「..瑠奈には、言わないでくれって」
プロポーズをしたの..?
「みんな反対したんだ。でも..智也の奴、頭さげて頼むんだよ..言わないでくれって..」
だから、嘘をついた..