君を想う【実話】
寄り添う二人の手は
いつからか
重なりあっていた
「俺..原因もわかんねぇし治るかもわかんねぇけど..治療、がんばるから」
「..うん」
重ねた手をギュッと握り締めた
言いたい言葉が
喉まで出かけてるのに、うまく出てこない
「お前のことだから、そばで支えたいって..思ってくれてんだろ?」
瑠奈の考えてることなんて、全てお見通しのようで、智也は優しく微笑んだ
その笑顔が意味するのは―..
「でも..それは、できねぇんだ..」
表情、声、全てが
智也の決意の固さを物語っていた..
「お前の未来を潰したくねぇんだ..瑠奈は優しいから、俺のために生きようとするだろ」
「違う!..瑠奈は、瑠奈のために..智也のそばで生きたいの」
智也の言葉をわたって、瑠奈は必死だった
今、止めなきゃ
智也が、いなくなってしまう―..