君を想う【実話】




「ほんと、お前は泣き虫だな..」



瑠奈の頬に伝う涙を拭って、智也は小さく呟いた





「でも..泣き虫なとこも..強がりなとこも、素直じゃねぇとこも、弱っちぃとこも..





全部、愛してんだよな..」






そう言って、泣きそうな顔で、智也は笑った






瑠奈も愛してる―





伝えたいのに




涙が溢れて




言葉にならない..






「瑠奈..約束しよ」





二人の繋いだ手が離れて、智也は小指を差し出した





「..俺が、忘れなかったら」





瑠奈は、その小指に





「..お前が俺を想っててくれたら..」





薬指を絡めた






そして―






「絶対に、お前を迎えにくるよ」






輝く指輪に





そう誓った―..







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