君を想う【実話】




「..笑えよ」




智也の声が、瑠奈の頭に、優しく響く





瑠奈が顔を上げると





智也は笑った






瑠奈の大好きな笑顔で―







「やっぱり、笑顔が一番だな」






気付けば、瑠奈も





笑っていたんだ..







「約束..忘れないでよ」





その言葉に、智也は小さく頷いて、瑠奈の頭を撫でる






一時の別れなのか





それとも..





永遠の別れなのか







"さよなら"の時が





二人に、訪れる―









「いつか..ずっと一緒にいれる時がきたら..」







痛いほどに、お互いの体を抱き締めた







「その時は―..」







そして






最後のキスをした..







唇が離れると同時に、二人の体もゆっくりと離れた







智也が、瑠奈に背を向けて歩きだす







一歩ずつ







その背中が離れていく―..








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