君を想う【実話】
「ともゃ..っ」
瑠奈は手紙を抱き締めて、声をあげて泣いた
笑うなんて無理だよ..
汚い字も
下手な文章も
こんなにも愛しくてしょうがないのに―..
‥
「..私、帰るね」
美華ちゃんは、バッグを肩にかけて瑠奈の頭を優しく撫でた
瑠奈は、止まらない涙を拭いながら、美華ちゃんに頭を下げた
「智也は..本当に呆れるくらい、瑠奈のこと愛してたよ..」
そう言った美華ちゃんの目に、薄らと涙が浮かんでいた
空を見上げたら
丸い月がでていた
その横で、輝く一つの星
その星を見ていたら
何故か、自然と
笑顔になったんだ―..
「..ありがとう」
智也に向かって、呟いた
あの手紙がなかったら
瑠奈は今頃、どうなっていたかな..?
智也はいつでも
瑠奈よりも瑠奈のことを
わかっていたね..
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