君を想う【実話】
綾に質問責めをしていると、校内にチャイムが鳴り響いた


「瑠奈〜!」


振り向くと、廊下に麻衣が立っていて口パクで何やら言っている


「あー..煙草ね..」


瑠奈は、綾の頭を撫でて麻衣の元にむかう


そして二人は、慣れたように立ち入り禁止のロープを越えて屋上に向かう


屋上の扉に手をかけようとすると、いきなり扉が開いた


驚いて顔をあげると、そこには裕也がいた


目は赤く、歯を悔い縛り、涙をこらえているようにみえた


「..裕也?」


裕也は怒りに満ちた鋭い目で、瑠奈を睨みつけるとそのまま階段をおりていってしまった


呆然としていると、今度は左頬をおさえた竜がでてきた


「竜っ!どうしたの?裕也となんかあったの?」


竜は、驚いた顔をして瑠奈をみた


「なんでもねぇ、心配すんな」


そう言って瑠奈の頭を撫でる


「竜..」


痛々しい頬を押さえながら去っていく竜を見つめていた




何があったんだろう..




さっきまで楽しそうに笑ってたよね?




怒りに満ちた裕也の目と、悲しそうな竜の目が頭から離れない
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