君を想う【実話】
校内に戻ると、もう二人の姿はなかった


瑠奈も帰ろうと思い、鞄を取りに向かう


「瑠奈、帰るの?」


綾が寂しそうな顔で瑠奈にくっつく


「いつものことじゃん」


「そうだけどさ!なんで瑠奈は昼しか学校こないの?」


智也と付き合ってから、前より学校にいくようになった


でも、授業は受けずに昼前にきて昼すぎに帰る、そんな瑠奈を綾は不思議そうに見た


「出席とるためだよ」


「出席とるため?」


「うん。大人の事情ってやつよ」


そう言って笑って帰ろうとする瑠奈の腕を、綾は慌てて掴んだ


「瑠奈っ!来週末、修学旅行だからね!」


綾は目を輝かせ瑠奈にパンフレットを渡す


「うわぁ..だる〜っ」


こういう行事が、大嫌いな瑠奈


「絶対ぜーったいきてねっ!」


「はいはい」


綾の強引な押しに適当に返事をすると、瑠奈は学校を後にした
< 59 / 436 >

この作品をシェア

pagetop