君を想う【実話】
「なぁ、それ以上は俺とおしてくんねぇ?」
智也の低い声と共に、瑠奈の腕の痛みがなくなる
智也は、瑠奈を掴んでいた裕也の手を掴んでいた
裕也と智也の身長は、10cm以上の差がある
そんな智也に上から睨まれる威圧感からか、裕也は黙って下を向いていた
「俺は何も知らねぇけど..お前の傷ついた気持ちはわかる。瑠奈や親友に裏切られたんだろ?」
智也は裕也の腕を離し、煙草に火をつけた
「でもな、お前の親友も瑠奈のことが本当に好きだったんだと思う。なぁ、そうだろ」
智也は竜に視線を移す
「..裕也、まじで悪かったと思ってる。でも俺は..どんな形でも繋がってたいくらい瑠奈が好きだったんだよ」
竜は裕也の背中を見つめながら、最後は瑠奈を見つめてそう言った
「一番悪いのは確かに瑠奈だな。でもよ、親友のそんな気持ちに気付かなかったわけじゃねぇだろ?」
智也の言葉に裕也の肩は震えていた
瑠奈はその光景を黙って見つめていた