君を想う【実話】

帰り道、自転車を漕ぐ智也を後ろから強く抱き締めた


「智也..今日はありがとうね」


大きな背中に顔を埋める


「あいつ等の分も俺が幸せにしなきゃいけねぇな」


智也はそう笑うと、瑠奈の手を片手で包んだ


「すぐに止めなくて悪かったな..痛くねぇ？」


智也は片手で運転しながら、器用に瑠奈の足に手をやる


「平気だよ！あの二人に比べたら..」


あの後、智也がコンビニで消毒液とバンソウコウを買って手当てしてくれた


裕也の話をちゃんと聞いてあげようとしたのも、智也の優しさだってわかってる


「瑠奈、智也のことだいじにするから」


「それ俺のセリフじゃねぇの？笑」


そう言って笑う智也が、すごい愛しく感じた


「瑠奈、ついたぞ」


瑠奈の家の前につき、自転車をとめる