THE 番外編。
雑煮や年越しそばの準備を手伝いながら、ちょこちょこリビングのテレビを見ていると、気付けば今年も残り5分を切っていた。
「…なんとか、そばは作れたね。」
『そやな。…母さん、雑煮はもう餅の準備するだけやけん、そば食べよ。もう12時なるよ。』
『えっ、もう?…じゃ、お皿持ってきてー』
あー、お腹空いた~
つい4、5時間前に夕ご飯を食べたばかりなのに、キッチンで忙しなく動いていたおかげで、いい感じにお腹が空いてしまった私。
「おばあちゃーん、そば出来たよ~!」
『はぁーい。』
リビングにいるおばあちゃんをダイニングに呼ぶと、おばあちゃんはよっこいしょとこたつから出て来た。
「どっちが勝ったと?」
『今年は紅やったよ。』
「ええ~っ?今年も白が勝つと思ったんにぃ~!」
『ばあちゃんの勝ちやね。』
毎年、歌番組で紅白どちらが勝つか予想しあっている私とおばあちゃん。
いつもおばあちゃんが応援する方が勝つのも、毎年だ。
私は一回も、自分の予想が当たったためしはない。
「おばあちゃん強いよね、こういう勝負事。」
『長年の勘ってもんがあるけんね。』
まだまだ負けんよ、と言って笑ったおばあちゃんと話していると、ダイニングに人数分の年越しそばを持ったお母さんとお兄ちゃんがやってきた。