秘密

私も、なんとか起きて、準備を始めた。






「このは、それ…」



部屋で服を選んでいたわたしのところに、歯磨きしてた直兄がやってきた。



私の持っていたワンピースをじっと見る。



それは、おととしの誕生日に、直兄がくれた紺色のワンピース。



嬉しくて、宝物だから特別なときにしか着ないんだ。



「このは、大きくなった?」


鏡の前で私の体にワンピースをあてがい、そうつぶやいた。



「え、そうかな。」



確かに、ちょっとワンピースの袖が短い気がする。



「…新しいワンピース、選びに行こう。」

「…うん」



ということで、久々のふたりのお出かけは、ショッピングになった。

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