秘密
そうなるとじゃんけんで負けて委員になった私は…はあ。
ため息をついて顔を上げたら、田所くんと、E組の男の子がじゃんけんしようとしていた。
あれ…?
E組の男の子、なんだか見覚えがある。
背が高くてちょっと色白で…。
あー、誰だっけって、そんなこと気にしてる場合じゃない!
私は、両手を握り合わせて、田所くんが勝ちますようにと応援する。
「最初はグー!じゃんけん…!」
田所くんはパー。
E組の子はグー。
やったあ!勝った!
「田所くん、すごい!ありがとう!」
「まーな!」
戻ってきた田所くんと共に模擬店決定の紙に記入をしていたら、委員会も終わった。
よし、帰ろう。
荷物を持って教室の扉を開けたとき。
「あ、待って!」
後ろから誰かに話しかけられた。
振り向いたら、さっきのE組の男の子だった。