秘密


「ん…あれ??」



目を覚ましたら、目の前に白い天井が広がっている。



自分の状況を理解するのに少し時間がかかった。



ここは、保健室で、パイプのベッドの上で…。



あ、私、貧血で倒れたんだった…。



誰かが運んでくれたのかな。



そう思ってあたりを見回してみたけれども、保健室の先生もいない状況。



えーと、どうしよう…。



ベッドの上で寝ころんだまま、しばらくぼーっとしていると。



「このはっ?!」



保健室のドアが開いて、葉子が入ってきた。



「大丈夫?!」



心配そうな顔で私のところに駆けてきた。



「うん…ごめんね。大丈夫。…いたたた…」



起き上がろうとした瞬間、頭がズキズキ痛くなった。


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