秘密



「あの、葉子が運んでくれたの?」



「違うの。あのね、E組の今野くんだと思う!」



「良くんが??」



それから葉子が事情を説明してくれた。



休憩に行った私がなかなか帰ってこないから心配して探しに行こうとしたところ、教室に良くんが訪ねてきたこと。



話を聞くと、私が廊下で倒れて、良くんが保健室に運んでくれたそうで。



良くんは先生に知らせに行くと職員室に向かい、葉子が慌てて保健室に駆けこんできたということ。



「ごめんね、このはがそんなに体調悪いの、気が付かなくて。」



「ううん、ちょっと、寝不足だったし…無理しすぎたのかも。」



「…それにしても、このは、良くんと知り合いなの??」



「うん、昔の友達なの。偶然委員会も一緒で。」



「あ、なるほど!」



「あれ、葉子も良くんのこと知ってるの??」



そういうと、葉子がびっくりした顔をした。



「いやいや、良くんといえば、イケメン転校生がきたー!って、うわさになってたじゃん。知らない人いないって!」



そ、そうなんだ。知らなかった。



良くん、たしかにかっこいいし、モテるのか…。それはすんなり理解できる。
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