秘密
トントン。
葉子と話していたら、保健室のドアのノックが聞こえた。
「はーい。」
入ってきたのは、良くんだった。
「よかった。このはちゃん、起きたんだ。」
起き上がっている私を見て、良くんが微笑んだ。
「うん。ごめんね、運んでくれてありがとう。」
「いやいや、でも、びっくりした。」
「…あの、重くなかった?」
さっきから気になっていたことをそっと聞く。
良くん、細いし、私、かなり重かったんじゃ。
「全然、むしろ軽すぎて心配したよ。」
「あ、そ、そっか…。」
気を使って言ってくれたのかもしれないけど、とりあえずほっとした。
「担任の先生、今来るって。このはちゃんのおうちに連絡したって言ってたし、たぶんお迎え来るんじゃないかな。」
「えっ」