秘密
どきっとした。
うちに連絡が取れたってことは、この時間はお母さん病院だし、たぶん直兄だ。
どうしよ、直兄、迎えに来るのかな…。
ちらっと葉子のほうを見ると、同じことを考えていたようで、にやにや笑っていた。
「よかったじゃん。」
「え、なっ」
思いっきり、動揺してしまった。
「じゃあ私、このはの荷物持ってくるね!」
葉子が張り切った様子で保健室を出て行った。
「このはちゃんって、お兄さんいるよね、確か」
その場にいた良くんにそんなことを言われてびっくりした。
「あ、あ、うん!!」
わたしはうんうんと首を縦に振る。
「昔、ピアノ教室にこのはちゃんのこと迎えに来てたの、見たことある気がするよ。」
「あ、そっか、よく覚えているね~」
「うん、すごく、仲が良さそうだなーって」
良くんがそう言って笑う。