ココアのアイ


職員室で放送室の鍵を借りて、目的地へと向かう。

放送室は私のオアシスだー。

鍵を開けて中に入ると、むわっとした空気でいっぱいだ。



「あっつー…
くっそー、夏なんか嫌いだー…」



悪態をつきながら窓を開けて換気。

窓から少しだけ体を乗り出せば、ちょっとだけ涼しい風に当たれる。



「んーっ…オアシス最高ーっ!」



深呼吸をして、マイクの方へと移動する。

イスに座って時間まで数秒待ち、

━━━━電源を入れた。





『ぐっもーにんぐ、えぶりわん!
皆さんおはようございます!!

もう目は覚めましたか?
私はまだ眠たいです!

そんな時は目を閉じて、ゆっくり深呼吸をしてみて下さい。
あ、そのまま寝ちゃだめですよ?

ちゃんと起きてて下さいね!


━━━さあ、今日も素敵な1日でありますようにっ

それでは毎日のお決まりの曲、
“Have a nice day”をお聴きください!』




マイクの電源を切って、代わりにCDを流した。

あとはCDが勝手に止まるように、タイマーをセットして…



「よし、終わり!
んーっ、今日もいい日になるといいなーっ」



るんるんとした足取りで教室へと向かった。








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