ココアのアイ
☆
教室に戻ると中は騒がしくて、まだ流れている曲がほとんど聞こえていなかった。
まあ、いつもこんな感じなんだけど。
「ここちゃん、お帰りー」
「ただいまー、未歩ー」
「今日も絶好調だったね」
「うん、ぜっこーちょー!」
「俺、いつも思うんだけどさ、」
突然現われた、南 凌真。
驚きすぎて声は出なかったけど、顔はすごいことになったと思う。
「どっ、どっから湧いて出た!?」
「酷いなー、ここちゃん。俺ずっといたよ」
「あれ、ごめん。眼中になかったわ…」
ほんとびっくりした…
心臓に悪いっつーの。
「で、何?」
「いやーさ、
ここちゃんの放送とココアちゃんのラジオと、
なーんか似てるなーと思ってさ」
「は?」
いやいやいや、似てるも何も同一人物ですから。
口が裂けても言えないけど…
「そんなわけないじゃん。
でも…ココアちゃんのラジオを参考にしてるから…ってのもあるんじゃない」
「そうだよ、凌真くん。
ここちゃんはここちゃんの良さが出てる放送をしてるんだから。
ココアちゃんとはまた別だよ」
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