ココアのアイ
放送室の鍵を返しに行って、みなみんと並んで歩く。
って…なぜ!?ホワイ!!?
「はー…何が悲しくてあんたと並んで帰ってんのよー…」
「まあそう言うなって!」
「ねえ、まさかとは思うけど、一緒に帰るために放送室まで来たの?」
「あー…うん。たまたまってのもあるけど」
「たまたま?」
「うん、教室に忘れ物したからさ」
ふーん。としか返しようがないな、うん。
そしてどこまで一緒に帰るつもりだ。
「みなみんちってどこ?」
「ここをずっとまっすぐ行ったら、そのうち見えるよ」
ふーん。
「あっそう。私、途中曲がるから」
「うん、途中までの約束だし。いんじゃね?」
「そーだね」
会話が途切れて、黙々と歩く二人。
何だ、この雰囲気はよ!
すると急に、みなみんが立ち止まった。
「え、何?どした…は?」
みなみんを見ると、ものすごい顔で前を見つめている。
驚いてるというか…
“まさか…”みたいな顔。
「え、ちょ…何…」
私が言葉を言い切る前に、みなみんは走り出した。
一緒に帰ってる(らしい)私を置き去りにして。
「は━━━━!!?」
反射的に私も、後を追うように走る。
って、おい!
何でこんなことになってんだよ!!
どうこうしてる間に、みなみんは角を曲がってしまった。
「おまっ…お前んちはまっすぐじゃなかったのか、コラー!!!」
待たんかい、ボケが━━━!!!!
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