恋は死なない。

 消えない誓い




朝になると、古庄家には再び弾けんばかりの賑やかさが戻ってくる。


「佳音ねえちゃん!起きてーー!!」


御座敷にお客さん用の布団で寝かせてもらった佳音は、子どもたち三人から少し手荒く起こされた。

昨夜は、いろんなことを考えてしまって、なかなか寝付けなかった佳音は、あまり眠れていなかった。
寝ぼけまなこで佳音が、子どもたちに連れられてダイニングに向かうと、同じく眠そうな古庄が円香を抱いて椅子に座っていた。この世のものとは思えないほどの古庄も、この家の中では極めて普通の父親だった。


「おはよう」


優しく穏やかに声をかけてくれる古庄の微笑みが、朝のまぶしい光とともに包み込んでくれる。
ここでは佳音は、さしずめ一番大きな子どもといったところだった。


「おはようございます」


佳音のあいさつに、朝食の準備をしていた真琴が、キッチンから顔を出した。


「おはよう。さあ、朝ごはん食べましょうか」


それから、昨晩と同じように賑やかな食卓。食べながら、家族それぞれの今日の予定を確認し合う。


「俺は、ラグビー部の引率で今日も仕事だ。花園予選前の練習試合があって遠出するよ。夕方には帰ってくると思うけど」


「俺と彦真は、お昼過ぎからラグビーの練習に行くよ。お昼までは、適当に遊ぶ!」


「私は、家の事もあるし、午前中はお家でゆっくりしましょうね」


「佳音ねえちゃんは、どうするの?」


真和から尋ねられて、佳音は食べるのをやめて箸を置く。


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