恋は死なない。
入り口は別々だけれども、中では繋がっていて、カフェのお客さんは工房の様子が覗け、工房に来たお客さんとはカフェで打ち合わせができる。佳音も和寿も、お互い別々の仕事をしていても、いつも一緒にいられる。
そんな二人にとっては夢のような店、努力を積み重ねてきた二人の夢が、まさに結実した店だった。
「先生たち!いらっしゃいませ。来てくださって、ありがとうございます!」
和寿に続いて、佳音が奥から出てくる。すると、真琴が声をかけるよりも先に、子どもたちが駆け寄った。
「佳音ねえちゃん、おめでとう!」
「おめでとう〜!!」
お祝いを言われて、佳音は嬉しそうに笑顔を見せた。少女のような感じはそのままに、一児の母となった佳音は、女性としての魅力も増して、ますます透き通るように綺麗だった。
「佳音ちゃん。おめでとう。また、夢が叶ったわね!私たちも、この日が待ち遠しかったわ!」
今度は真琴が声をかけると、佳音はいっそう笑顔を輝かせる。
「ありがとうございます。真和くんも彦真くんも、琴香ちゃんも円香ちゃんも、すっかり大きくなって。みなさん、お元気そうで」
「そうなの。みんな、もう元気すぎて。毎日目が回っちゃうのよ」
「それはそうと、ここの家の『お姫様』はどこにいるんだ?」
古庄から問いかけられて、佳音と和寿は顔を見合わせる。