恋は死なない。
佳音の弟も本当にやんちゃで、テレビゲームをしている時以外は少しもじっとしていなかった印象がある。
もうずいぶん昔…、遠い思い出になってしまったことを、今更ながらに思い出した。
和寿は、佳音がそう言って返してくれたことに、嬉しそうに笑顔を見せる。
「それじゃ、僕はちょっと変わっていたのかもしれませんね……。あ、すみません。お仕事、続けてください」
そう促してくれるところを見ると、和寿は本当に仕事の邪魔にならないように、ひっそりと眺めていたいと思っているらしい。
佳音も和寿の話を聞いて少し気分が落ち着き、見られているのを煩わしく思う気持ちも薄らいだ。
しばらくすると、いつもと同じように作業に集中して、時が経つのも忘れて没頭することができた。