オフィス・ラブ #0
「おめでとう」
ある日出社したら、部課長に呼ばれ、そう言葉をもらった。
あのてんやわんやの中で受けた試験に、なんと通ったらしい。
正直に言えば、落ちるとは思っていなかったけれど、それでも、ほっと安堵の息が出る。
ふたりの推薦と助力にお礼を述べて席へ戻ると、察したらしい春日部チーフが、おめでとうと喜んでくれた。
昇進か。
マネージャーではないとはいえ、人の上に立って、引っぱる立場になるのか。
また新しい挑戦を手に入れて、気分は高まる。
何ができるだろう。
新しいポジションで、自分は何を残せるだろう。