イカレポンチ


「えー、なんでー?しょーもないって
 思わなかった??」

「叶わなかったときに、思うよ」


切なそうに笑うユウを見て

何を願おうとしているのかが
分かった。


「ぷ、ならそーしよっか」

「おう」


暑い、暑い中。

二人で砂の中に手を入れた。


「ねぇ」

「んぁ?」

「何かって、砂が熱いよ」

「・・・るせぇ」


あ。機嫌が悪い。

暑いときと、眠いときと、
お腹減っているとき


ユウの機嫌が最高に悪いとき。


「「・・・あ」」


2人の声が重なって
お互いの手のひらを見せる。

小さな小さな小粒の

半透明のグリーンの星形の砂が
ユウの手の中にはあった。
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