イカレポンチ



「おい、待てって!!!」


何かユウが叫んでいたけれど
膜ができたみたいな感覚になって

うまく聞き取れなかった。


目に涙は浮かんでいるけど

泣くのはちょっと違うなって思って



我慢した。




玄関を、出るまでユウが何か叫んでた。



見たら、戻ってしまいそうで。









最後に見たユウの顔は

目から涙を流し続けて


険相な顔でリンに何か言っていた。



恨まれるなら、それでいい。



どうせ、死んじゃうから。


これからを作るなら

これまでを捨てた方が



これからの長い人生、きっと楽だから
< 74 / 86 >

この作品をシェア

pagetop