イカレポンチ
「おい、待てって!!!」
何かユウが叫んでいたけれど
膜ができたみたいな感覚になって
うまく聞き取れなかった。
目に涙は浮かんでいるけど
泣くのはちょっと違うなって思って
我慢した。
玄関を、出るまでユウが何か叫んでた。
見たら、戻ってしまいそうで。
最後に見たユウの顔は
目から涙を流し続けて
険相な顔でリンに何か言っていた。
恨まれるなら、それでいい。
どうせ、死んじゃうから。
これからを作るなら
これまでを捨てた方が
これからの長い人生、きっと楽だから