瞳の中で誰よりも
彼氏と彼女
12月の頭の日曜日、私はランチから仕事にはいっていた。
バイト先の居酒屋はランチもやっていて、ランチの時間帯15時まで働いた後、お店でディナーの17時までのんびりできる。
賄いを食べ終えた私は特に誰かと喋る事もなく携帯を触っていた。
彼氏の和樹から届いていたメッセージを開く。
『仕事頑張れよ』
『なあ暇ー』
『早く華那に会いたい』
『寂しいから今日も夜迎えに行く』
数分置き届いているメッセージに思わず溜息をこぼす。
彼氏か。
別に嫌いなわけじゃないけど、でも。
なんか、疲れるな。
返信に迷っていると、携帯がヴヴヴと震えた。
和樹だ。
『既読無視?なにしてんの?』
彼氏をつくるのは寂しさを紛らわすため。
でもそもそもなんで、寂しいのが嫌なんだろう。
寂しいっていう感情がなくなると、一緒にいる意味が分からなくなる。