君と出会えた奇跡



亜子は、玲さんの前に立つと、

思いっきり頭を下げた。


「神城先輩!お願いしますっ!

唯を、唯を幸せにしてください。

私が言える立場じゃないのは十分すぎるほど、わかってます。

けど、

私、唯が大好きで大事なんです。

なら、なんで裏切ったかって思いますよね、

実は、私の妹、

小学五年生の妹なんですけど、
栞とか、こいつらに、

拉致られたんです。

それで、

唯を裏切っちゃって、

本当に、ごめんなさい。

もちろん、とことん最後まで私は唯の前では、

唯が嫌いということにします。

それが、こいつらにとって一番の要点だから。

だけど、

神城先輩に、唯のことを、幸せにして欲しいんです!

お願いします!」


土下座をする亜子に、

私は、涙が溢れて止まらなくなった。


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