君と出会えた奇跡


俺は、その場に泣き崩れた。

手紙を握りしめて、泣く俺、

なんだよ、これ、

むりだ、

無理だよ、俺は、お前しか愛せない。

そんなの、お前が一番わかってんだろ?

無理だよ、

俺、唯がいないと、無理だよ、

「うっ、あぁ、あぁ、ゆいっ、ゆいっ、

あぁぁあっ、」


床に水滴が落ちる。

手紙は、ところどころシミができていて、
きっと泣きながら、書いたんだろう、

ゆい、

ゆい、笑って、抱きしめてよ、

ここにいるよ、玲くん、大丈夫だよって、

笑って、後ろから抱きついてよ…

そしたら、

俺も精一杯、抱きしめるから、

もう、離さないから、

天井を見上げた時、

唯が、見えた。


思わず目を見開いた。



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