君と出会えた奇跡
「おれだけど、」
玲央の、態度がむかついて、
胸ぐらを思わずつかんだ。
「パパ!だめ!やめて!」
「唯はなっ!お前らの母親は、ちゃんとお前らを愛してる!
なのに、
こんなのあんまりじゃねぇかよっ!
ふざけんな!このバカ息子!」
玲央は、初めて、おれの前で涙を流した。
「俺は、俺はっ、お袋からの愛を、もらいたかったっ!
捨てられた事実は変わらないけどっ!
だけど!
だきしめてほしかったっ!
お袋の温もりを知りたかったよっ!
親父は、親父はっ、お袋の温もりを知ってるっ。
だから、そんなこと言えんだよっ!
母親の愛がないことが、どんなに辛いかわかるか?!
望もそうだ!
知らないだろ?!親父は!
俺らが、お袋がいないことで、いじめられてたのをっ!
しらないんだろ?!
女を捨てられなかった母親、
それがどんなに辛いことかわかるかよ!!」