弱虫ワタシと俺様カレ【完】
❀第七話❀ 心の距離
「たさ…き…」
あの日から私と田崎は心の距離が確実に縮まった。そう実感していた。
「沙乃おはよ!」
「あぁ、田崎おはよー!」
「てかお前いつまで田崎って呼ぶつもりかよ?」
「えっ!?」
朝の下駄箱で話し声が響いた。
「いい加減、蓮斗って呼べよ」
「あ…うん」
他人から見たら確実に勘違いされるようなシチュエーションだ。
こうみえてモテる田崎…じゃなくて蓮斗はいつも注目の的だった。
「沙乃!」
「蓮斗!?どうしたの?」
隣のクラスなだけあって、朝と放課後ぐらいしかいつもは顔を合わせない。
「なんか…会いたくなった。」