弱虫ワタシと俺様カレ【完】
❀第九話❀ 想いの力
「私…わからないの」
私は蓮斗と放課後、近くのカフェに来ていた。
静かに珈琲を飲む蓮斗の食器がぶつかり合って音が鳴った。
「いいよ、ゆっくりで」
「え?」
「沙乃の気持ちがちゃんとしてから、それからで俺はいいよ」
「…本当…に…?」
「…なんてな」
「えっ!?」
冗談っぽく笑い、蓮斗は私の頬に手を置いた。
そしてそっと隣に座って言った。
「待つわけねーだろ、馬鹿。またお前がどっかいかねーように見張っててやる」
「え、ちょっ!…んっ……」
そして蓮斗は私に深くくちづけをした。