弱虫ワタシと俺様カレ【完】
❀第十話❀ 気持ち
「はぁ…」
「沙乃、さっきからため息ばっかりだよ?どうしたの?」
「え、そ、そう?」
「そうだよ!田崎となんかあった…?」
「あー、あははー…」
「もう!沙乃ってば!」
「み、美里!落ち着いて!」
今、私は美里と放課後にカフェにきている。
コップに注がれたココアに映し出された顔がゆらゆら揺れていた。
「田崎になんか言われたの?」
「それがさ…」
といって、美里に全てを話した。
「そうだったんだの…」
「うん、なんか葉久夢ちゃんに圧倒されたってゆうか…感じさせられた」
「でも…田崎と沙乃の事には関係ないじゃん」
「…へ?」
美里から出た言葉は意外だった。
私は目を丸くして美里をみていた。美里はゆっくり口を開いて告げた。
「沙乃は沙乃。それでいいじゃん。急ぐ必要ないよ。ちゃんと自分の心で考えてみなよ」