弱虫ワタシと俺様カレ【完】
「自分の心…か…」
私はベッドの上で窓の外を眺めていた。
コンコン…
「ねーちゃん、ちょっといいか」
「あ、うん。いいよ」
ガチャ
「なぁ。あのさ…」
「葉久夢ちゃん…のこと…?」
「あぁ、天宮の事なんだけど…」
「なに?」
「気にすんなよ」
そういって清太はドアの方に向かって歩き出した。
「あ!ねぇ清太!」
「ん?なんだ?」
「葉久夢ちゃんと…付き合わないの…?」
「ねーちゃんは?」
「えっ!?私!?」
「蓮斗先輩と、付き合わねーの?」
「あ……」
「ごめん、今のなし!」
「えっ、あ!」
清太は私の羽織を片手にもって、悪戯っぽく笑った。
「借りるわ!」
「え?あ、うん!」
そしてドアを開けて一歩、立ち止まった。
「俺…まだわかんねぇ。」
「清太…」
そして静かにドアは閉まった。