弱虫ワタシと俺様カレ【完】
「何…これ…?」
私は清太の手ににぎられている携帯の画面をみて固まった。
「沙乃。お前そんなの信じんの?」
「田崎…これ…本当なの…?」
「ねーちゃんは騙されてる」
今にもぐちゃぐちゃになりそうな状況。
それなのに何故かさっきの田崎の温もりが残ってる。
清太の携帯の画面に書かれた文字、
【 宇佐美沙乃は俺がもらう。
宇佐美は何かと使えそうだし
持ってても損はしない 】
そう書かれていた。
さっき田崎は利用しようとしてたから
助けてくれたの?
ズキズキと心を何かが締め付けた。
喉の奥がザラザラと乾いている。
あぁ、そうか…
私今泣きそうなんだ。
どうしてだろ。嫌いなのに。