弱虫ワタシと俺様カレ【完】
「もういい。」
「あ!ねーちゃん!待てって!」
「おい!沙乃!」
部屋に閉じこもった私は頭がまわらず立ち尽くしていた。
「ねーちゃん!開けてくれ!」
「沙乃、話を聞いてくれ!」
2人の声はぐちゃぐちゃになった思考に邪魔されて全く入ってこなかった
さいわい親がもう仕事に出ていたこともあり、
田崎が此処に居ることはなんとかなった。
私は携帯を手にとって何故か壁一つしか離れていない田崎に電話をした。
「もしもし…」
「おい沙乃!俺の話を聞け!」
「なんなの…?」
「あれは俺が書いたものじゃない!」
「…は?」
「宇佐美が…宇佐美清太が書いた」
「清太が…?なんの為に…?」
「沙乃を取られたくないからだろ」
ガタンッ 携帯は私の手から落ちていった。
そして私はドアに向かって歩きだした
ドアを開けると2人が駆け寄ってきた
「消えて下さい」
私はそう言ってまた部屋へと消えた。
どちらに言ったのかすら理解できないまま