お嬢様はじめました。
翌朝、起きた時にはもうお祖父ちゃんの姿はなかった。


またもや仕事で海外だと言っていた。


ハードスケジュールで体調を崩さないか心配。


それでもお祖父ちゃんは昔に比べればゆっくり出来るようになったと言っていた。


自分でも言っていたけど、本当に仕事人間だと思う。


_コンコンコン。



「はぁい」

「葵お嬢様、失礼しても宜しいでしょうか」

「どうぞ」



扉の向こうには声の主、荒木さんが立っていた。


相変わらず表情は変わらないけど、一緒にいる時間が長いせいかなんとなく荒木さんのことが分かるようになってきた。



「お客様がお見えでございます」



お客様?


私に?


華かな?


でも華が来るとしたら連絡くれるよね?


はて……。



「メイクし終わったら直ぐ行きます」

「では外でお待ちしております」



荒木さんが出て行き、私は中途半端に終わってるメイクを急いで仕上げた。


流石にこのままじゃ人前に出られない。





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