お嬢様はじめました。
「お前が言い寄って、玲は仕方なく付き合わされてんじゃねーの?」

「はぁ!?」

「宝生院会長の機嫌を損ねれば個人の問題じゃなくなるからな」



そういえば樹希もそんな感じの事言ってたな。


じゃなくて!



「玲は私がお祖父ちゃんの孫だって知らないから! 根も葉もないこと言わないでくれる!?」



思った以上に大きな声が出てたのか、海堂くん__いや、海堂は驚いた顔をした。


こんな奴に君を付けてやる必要なし!



「玲の奴、お前が会長の孫娘って知らないで一緒にいんの? なんで?」



「なんで?」って……。



「そんなの私が知るわけないでしょ!! 私も知りたいわ! そんなに気になるなら玲に聞きなよね!!」

「ま、そうだな。 そうするわ」



立ち上がった海堂の腕を咄嗟に掴んだ。



「ま、待って!」



私も玲の気持ち知りたいけど、言われたらマズイ事がある。


タイミング悪く、荒木さんがお茶を運んできた。


取り敢えず海堂にもう一度座ってもらい、私たちはまた向き合った。




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