お嬢様はじめました。
よく知らない間柄だから色々言えちゃうのかも。


ある意味楽。



「黙っててやる」

「ほん__」

「として、俺に利は?」

「利……って?」

「お前が玲とどうなろうが俺の知ったこっちゃない。 つまり俺は黙っててやる義理はない」



なんて冷たい奴!


そりゃ友達じゃないけど、そんな言い方ある!?



「今度父に婚約者を紹介される事になっている」

「はぁ……」



その話が今何の関係が?


海堂はニッと笑うと口を開いた。



「俺の婚約者になれ」

「…………はい?」



この人今婚約者になれって言った?


言ったよね!?



「ななな何で!? 意味分かんない!!」

「宝生院会長の孫娘……その肩書きがどれ程の威力を持つのかお前は知らない」

「肩書き? 威力?」



意味わからん!!



「お前が相手なら父も文句を言わないだろう。 お前は存在と名前を俺に貸してくれればいい。 楽なもんだろ?」

「楽って__っ、私は玲が好きだって言った筈だけど!?」

「玲の事が好きなのは大石 葵で宝生院 葵じゃねーだろ? その様子じゃ気持ちを伝える気もなさそうだし、問題ないだろ? それに、お前にも利はある」



海堂の婚約者になって私に利!?



「そんなのあるわけないじゃん!!」





< 142 / 194 >

この作品をシェア

pagetop