お嬢様はじめました。
後日樹希にも話をした。


勿論華にも同席してもらって。


予想以上に怒られた。


怖いくらい真剣な顔と低い声で……。


それでも華と同じ様に『力になるから何かあれば直ぐに言え』と言われた。


私は本当に友達に恵まれている。


家族にも。


花火大会当日、樹希と華がお家まで迎えに来てくれた。



「いつもごめんね〜。 ありがと」

「気にすんな。 今日会長は?」

「お祖父ちゃんは仕事でいないよ。 会いたかった?」

「いや、いるならご挨拶しておこうと思っただけ」



こういうところしっかりしてるよねって思う。



「千崎様、川波様、葵お嬢様の事、どうぞ宜しくお願いいたします」



荒木さんに見送られながら私は車に乗り込んだ。


あまりにも甲斐甲斐しくお世話をしてくれるから、お父さんと勘違いしそうになる。


荒木さんの方が全然若いんだけどね。



「浴衣可愛い!」

「華の浴衣も可愛い! ピンク似合うよね!」

「ふふっ、ありがとう。 葵ちゃんも白地に紫のお花素敵! 綺麗な柄似合うよね」



華と盛り上がってると樹希が呆れた様に「はいはい」と言った。



「樹希も浴衣似合ってるよ」

「ついでか」

「あははっ!」




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