お嬢様はじめました。
そんな事を思っていると、ドンッ!と大きな音がした。


空が明るく光る。


ブーブー文句を言っていた橘さんも静かになった。



「綺麗……」



手をギュッと握られ隣を見ると、玲も夜空の花火に見惚れていた。


玲の目がキラキラしていて、嬉しくなった。


その気持ちを伝えたくて、私もギュッと手を握り返した。


色んな色、形の花火が次々と打ち上げられる。


ハートの形とか星の形があがる。


久しぶりの花火に心を躍らせていると、突然影が落ちた。


影の原因に気付いたと同時に、唇に柔らかい感触がした。



「っ__!? れっ__っ」



思わず大声を出しそうになって慌てて口を閉じた。


今のキス__!?


私は怒るように玲を睨みつけた。


けど玲は気にしていないのか、悪いと思っていないのか、優しく笑みをこぼした。


そんな顔したって許さないんですからね!(嬉しいけど!!)


また玲の顔が近づいてきて、私は顔を背けた。





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