お嬢様はじめました。
玲から連絡が来て、ミーちゃんの家を出た。


ミーちゃんだけならまだしも、何故か空まで付いてきた。


それもわざわざオシャレをして。



「空は可愛いね」

「あ!? バカにしてんのか!?」

「デートの時の女の子みたい」

「変な格好でレイさんと会えるかよ!!」



狭いエレベーターの中にミーちゃんの笑い声が響いた。



「はー緊張してきた」

「ちょっと止めてよ!! 私まで緊張しちゃうじゃん!!」



玲はやっぱり凄い存在なんだな。


モデルの時だけじゃない。


普通にしてるだけで注目を浴びる存在。


そんな人と付き合ってる自分がやっぱり不思議でしょうがない。


エントランスを出ると人影が見えた。



「玲!!」



声をかけると振り向いた玲は静かに笑った。


そんなちょっとした仕草も綺麗。



「お待た__っ!?」



近づいた途端抱きしめられた。


ミーちゃんと空がいるのに!!



「ちょっ__玲!?」

「充電」

「離してよ!!」

「ヤダ」

「充電後で!!」



そう言うと体が離れて玲にニコっと笑われた。


恥ずかしさのあまりヤバイこと口走ったかも……。





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