お嬢様はじめました。
料理が出来上がり、食器を並べて盛り付けした。



「できたぁ!」



いつも思うけど、私ってば本当盛り付けの才能ゼロだな。



「何やってんだ」



振り向くとダルそうに壁に寄りかかって立っている海堂がいた。



「ご飯作ってた。 暇だったし。 多めに作ったし、食べる?」

「しょうがねーから食べてやるよ」



そう言うと海堂はキッチンを出て行った。


何で上から!?


別にそこまで言われて食べて欲しくはないんですけどね!


ムカついたけど、2人分の料理をカートに乗せて部屋まで運んだ。


メイドさん達が慌てて「やりますから!」と言ってくれたけど、断った。


好きで作ったわけだし、運んでもらうのは申し訳なかったから。


既に食卓についていた海堂の目の前に食事を並べた。



「何だこれ」

「はぁ? 見て分かんない? ハンバーグ!」

「じゃなくて、ひでー盛り付け」

「うっさいな! 盛り付けで味が変わるわけじゃないんだからいいでしょ!」



こいつはいつもいつも人が気にしてる事をズケズケ言うんだから。


手作りのデミグラスソースの味は何気に自信がある。


両親がいつも褒めてくれた。


これ食べれんのかよ?みたいな顔をした海堂がハンバーグを一口食べた。


どうせ嫌味の1つや2つ飛んでくるんでしょうね。




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