お嬢様はじめました。
夢の様なって……そんな大袈裟なぁ〜〜!


って突っ込みたかったけど、信じられないくらい真剣な顔をしてる海堂には言えなかった。


私はまだまだお祖父ちゃんの凄さを分かってないみたいだ。


だってしょうがないよね?


私の前ではいつだって甘々でジジ馬鹿なんだからさ。



「お祖父ちゃんに会ったら聞いてみるね。 いつでもいいの?」

「宝生院会長の都合に合わせる」

「分かった。 って事で交渉成立?」

「そうだな」



あぁ〜良かった!


本当に良かった!!


お祖父ちゃんや荒木さんに嘘をつかなきゃいけないのは心苦しいけど、今は嬉しさの方がおっきい。



「で? 場所」

「あぁ! 場所ね! 箱根! 急に温泉入りたくなったんだって〜」

「『なんだって〜』じゃねーよ。 お前ちゃんと分かってんの?」

「え? 何が?」

「お前処女だろ」

「え!? は!? な、ななな何言ってんの!?」

「どっからどう見ても処__」

「二回も言わなくていいから!!」



咄嗟に手元にあったクッションを海堂目掛けてぶん投げた。


綺麗に避けられ壁にぶつかった。


腹立つ!!





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