お嬢様はじめました。
「それと今回の旅行は関係ないじゃん!!」

「お前馬鹿か! 関係大有りだろ!! 男と女が2人で泊まってする事なんて一つしかないだろーが!」

「はぁ!? まだ付き合って1ヶ月も経ってないのに玲がそんな事考えてるわけないじゃん! 馬鹿なの!?」

「馬鹿はお前だ! 見かけによらずとんだ純情女だな!」



ん?


ちょっと待って!



「見かけによらずってどういう意味よ!!」



軽そうって事!?


いちいちムカつく!!


はぁーもぉ疲れた。


ソファーに項垂れた。



「ただでさえちゃんと別れられるか不安があんのに、やっちまったらお前益々別れられなくなるんじゃねーの?」

「…………」



私の初めて……。


海堂に言われるまでそんな事考えてもなかった。


って!



「だから! 玲はそういうつもりで旅行誘ってくれたんじゃないってば」

「本当に好き同士なら自然な事だろ。 時間なんて関係ねーよ」

「…………」



なによ……海堂のくせに急にまともな事言わないでよ。


そんな事言われたら色々考えちゃうじゃん。


身構えちゃうじゃん。



「忠告……ありがと……」

「別に」



海堂って性格キツイけど、根っこはいい奴なんだよね。





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