お嬢様はじめました。
荒木さんの眉間に一瞬皺が寄った。


怒った?


けど直ぐにさっきまでの無表情に戻った。



「食堂で旦那様がお待ちでございます。」



そう言うと荒木さんはすたすたと歩き始めた。


特に会話も見つからなくて、私は静かに荒木さんの斜め後ろをついて歩いた。


背も高いし肩幅もしっかりしてるし、昔スポーツとかやってたのかな?



「お祖父ちゃん、おはよう。」

「おはよう。 ぐっすり眠れたか?」

「うん! ベッドふかふかでもう少し寝ていたかったくらい!」

「ははっ、そうか。 それは良かった。」



食堂に入るとお祖父ちゃんは湯呑を片手に新聞を読んでいた。


お祖父ちゃんの斜め前に座ると、朝食が並べられた。


部屋の作りは見事な洋風なのに、朝食はお味噌汁に焼き魚にと見事な和食だった。


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